今回の話題は、「オリーブ・オイルに強力な鎮痛作用があった!!」というお話です。 😀
オリーブ・オイルは、様々な調理に使われており、特に地中海料理などには
欠かせないものです。
このオリーブ・オイルが体に良い事はよく知られており、特に2004年11月に米国食品医薬品局(FDA)が、冠動脈疾患のリスクを軽減すると発表して以来、
人気となりつつあります。
今回さらに、このオリーブ・オイルには、強力な鎮痛・抗炎症作用がある事
がわかったというお話です。 🙂
これは米国フィラデルフィアにある化学感覚センター(Monell Chemical Senses
Center)のPaul A. S. Breslin教授らが、権威ある英科学誌「Nature」誌(Nature,
2005, 437, 45-6; タイトル:Ibuprofen-like activity in extra-virgin
olive oil.)に報告したものです。
この研究者等は、搾りたてのエキストラバージン・オリーブ・オイルには、
喉を刺激する作用があり、丁度風邪薬などに含まれているイブプロフェンを
のんだ際に感じる刺激と似ている点に着目しました。
そこで、オリーブ・オイルに含まれる物質が刺激の原因であることを調べた
結果、「オレオカンタール(oleocanthal)」という物質を見つけたそうです。
つぎにそのオレオカンタールの疼痛や炎症に対する効果を調べたところ、イ
ブプロフェンと同様に痛みの原因となるcox-1遺伝子およびcox-2遺伝子の発現
を抑制する事が分かりました。
しかし、oleocanthalの作用はイブプロフェンと比べて低く、イブプロフェ
ンと同程度の効果を発揮するには、オリーブ・オイルを500グラム摂取する必
要があります。
オリーブ・オイルを摂りすぎると、コレステロール値の増加する可能性があ
り、高脂血症などの別の疾病の危険性も否定できません。
従って今のところ、短期の痛み治療にはイブプロフェン錠を摂ったほうがよ
さそうです。
むしろ、オリーブ・オイルを長期にわたって摂取すれば、イブプロフェンと
同じようながんのリスク低減や、血栓をできにくくするなどの効果が得られる
可能性があります。
従って今回の研究結果は、魚や生野菜、不飽和脂肪を含む食材を主体に、オ
リーブ油を用いる地中海風料理が健康に良い事を再確認させるもののように思
われます。
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