今回は、本のご紹介です。
『中村天風 折れないこころをつくる言葉』池田光・解説 イースト・プレス
若い頃には価値がわからないけれど、歳を重ねて初めて価値がわかる、
というものが存在します。
中村天風の思想は、その最たるものではないかと思います。 💡
東郷平八郎や原敬、松下幸之助、ロックフェラー三世など、
名だたる人物が師事し、最近では大谷翔平選手も学んでいるというその思想を
解説したのが、本日ご紹介する『中村天風 折れないこころをつくる言葉』です。
もともと『中村天風 打たれ強く生きる100の言葉』として出されていたものを、全面的に改稿し、新たに50の言葉を加えています。
中村天風の関連本では、日本経営合理化協会さんから出されている
『君に成功を贈る』が有名ですが、本書の解説を読むと、
『君に成功を贈る』がさらに味わい深く読めます。
経営コンサルタントであり、成功哲学、中国古典に詳しい著者が
解説しているからでしょうか、よりビジネスパーソンに刺さる内容となっています。 🙂
理想の人生とは何か、事業を成功させるのに必要なことは何か、
どうすれば逆境に負けない心が作れるか。
迷いが消え、強くなれる一冊です。 😉
さっそく、内容のポイントをチェックして行きましょう。
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理想の人生とは、どのようなものでしょうか。──次の四つの条件が
満たされたものです。
(1)強い──順境のときも、逆境のときも、境遇のいかんにかかわらず強く生き抜く
(2)長い──できるだけ長く生き、天寿をまっとうする
(3)広い──清濁を併せ呑むほどの大きな心をもって、広くこの世と人生を生きる
(4)深い──なにごとでも深層まで達して、人生で味わう妙味をより深く味わう
好かれる人間の条件とは、何でしょうか。
天風があげるのは、才能があるとか、容姿がいいとか、財力がある、
といったものではありません。誰にでもできる次の五条件です。
(1)好き嫌いを言わないこと
(2)思いやりをもって、真心から親切に応接すること
(3)他人に迷惑をかけないこと
(4)他人からの恩義を重大に考えて、感謝で報いるようにすること
(5)心をおおらかにし、感謝で受けとめる、そんな心のもち方で人生を
つくりあげること
目的とすると辛くなるから、楽しみにするんだよ。
執着から離れようと思ったら、それを離れようと思わないで、霊性本位の生活のほうへと自分の心をふりむけていくと、しぜーんと離れちまう。
霊性満足とは、他人を喜ばせることがうれしいという満足。
力を入れることに重点をおかずに、力を働かすことに重点を置く。
運命のよくないとき、運命にこだわれば、運命に負けてしまう。
自分の心の中に何かの悩みがあるならば 先ずそれは「取越苦労」
か或は「消極的思考」かの何れかである。故に入念に省察すべし。
生まれながらこうだと思えば、何でもねえじゃねえか。
すべての感情や感覚の衝動、刺激を心でうけて、驚き、あるいは怒り、
あるいは悲しんでいただろ。それを今度は腹でうけるようにする。
四十や、五十はもちろん、七十、八十になっても情熱を燃やさなきゃ。
明日死を迎えるとしても、今日から幸福になって遅くないのであります。
まして若い人の胸は炎と燃えてなきゃうそですよ。
食うために働くのではなく、働かんがために食う。
創造の生活とは、常に「人の世のためになることをする」ということを
目標とする生活なのである。
人を喜ばせて、自分がまた、その人とともに喜ぶということが
いちばん尊いことなんだ。
病に犯されたら、何を措いても、病を病気にしないことである。
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読んでみて、現代人は自分のことばかり考えて、「霊性満足」を目指さないから
エネルギーがなくなるのだということがよくわかりました。
(霊性満足とは、他人を喜ばせることがうれしいという満足です)
他にも、「運命のよくないとき、運命にこだわれば、運命に負けて
しまう」とか、「病を病気にしないこと」とか、逆境にうまく対処
する方法が書かれていて、いちいち勉強になります。
中村天風の自己啓発書をひと言で言えば、「身体性を伴った
自己啓発書」といえます。
最近は行動本が話題ですが、人間が行動するには、「肚を決める」
必要がある。
本書は、この「肚」を鍛えてくれる一冊です。
ぜひ読んでみてください。 🙂 💡
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