今回は本のご紹介です。 🙂
♪『働き方2.0vs4.0』橘玲・著 PHP研究所 ♪
今回ご紹介する一冊は、ベストセラー作家の橘玲さんが、日本の働き方について
考察した一冊です。
著者は本書の冒頭で、「働き方」をこう定義しており、その上で、
「最先端の働き方は、3.0から4.0に向けて大きく変わりつつある」
と述べています。
働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミー)
働き方5.0 機械がすべての仕事を行なうユートピア/ディストピア
「となると、1.0にとどまっているわれわれ日本の働き方は…」
当然こう疑問に思うわけですが、著者は本書で、なぜ日本が働き方1.0から
抜け出せないのか、本質的な部分を指摘しています。
差別主義的な日本の採用、雇用、非正規雇用や女性、外国人労働者…。
政治や行政、大企業の人事、労働組合は、本書によって痛いところを
突かれたに違いありません。
後半では、この取り残された日本で、われわれ働き手がどのようにして
自らのキャリアを切り拓いていけばいいか、いくつかヒントを提示しています。
さっそく内容をチェックして行きましょう。 💡 💡
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「日本型雇用が日本人を幸福にした」というのは幻想であり、
真っ赤なウソだった。
事実(ファクト)を見るかぎり、日本のサラリーマンはむかしもいまもずっと会社を憎んでおり、過労死するほど働いているものの
まったく利益をあげていないのです。
ネットフリックスの人事方針「カルチャーデック」で書かれていること
「すべてのポストにもっとも優秀な人材をあてる」
「業界最高水準の報酬を支払う」
「将来の業務に適さない人にはお金を払って辞めてもらう」
「有給休暇を廃止する(従業員の裁量で休む)」
「人事考課制度は時間と労力のムダ」。
「いまなんの仕事してるの?」と訊かれて、「1年の契約でA社で
働いている」というよりも、「A社と1年のギグをしている」と
答えた方がクール。
インディペンデント・ワーカーへの調査では、仕事のなかでもっとも気が進まないのは経理と報酬の回収、マーケティング、売り込みだそうです。
成果以外の「不純」な評価基準はすべて差別。
日本型雇用の最大の汚点は、正社員と非正規で「同一労働同一賃金」
の原則がかんぜんに無視されていることです。
給料の格差、解雇の容易さ、各種手当の有無、設備利用の可否など、あらゆる面で非正規は劣悪な労働条件に置かれており、これほど搾取されている
労働者は先進国ではまず考えられません。
祝日に全員が休めば、その分を少ない平日でこなさなければなりませんから
仕事は忙しくなります。
祝日になると観光地には人が押し寄せ、平日には来なくなってしまうので、
繁忙期に合わせて施設や人員を整備すると閑散期に利益が出せなくなってしまいます。
日本では「正社員」というのは身分。
「労働者を年齢で差別してはならない」という原理を徹底すれば、
定年制も違法になります。
世界の主流は金銭解雇のルール化。
所得格差がいちばん小さな日本が健康度がもっとも高くなっています。
所有権に価値があるのは契約が不完備のとき。
人的資本を使って富を増やす方法は、原理的に3つしかありません。
(1)人的資本を大きくする
(2)人的資本を長く運用する
(3)世帯内の人的資本を増やす
共働きの経済効果はきわめて強力です。
人生100年時代の人生設計は、「長く働く、いっしょに働く」以外にない。
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日本型雇用の偽善を暴いたり、現行の日本の制度の問題点を指摘したり、
リベラルの主張のウソを見抜いたり…。
日本人が今、働き方を考える上で重要な示唆を与えてくれる内容です。
会社やマスコミ、政治家、官僚でさえも信用できない今、自分のキャリア戦略は
自分で立てるしかありません。
本書は、そのためのヒントとなり得る一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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