今回は、本のご紹介です。
「感動経営」唐池恒二・著 ダイヤモンド社
今回ご紹介する一冊は、九州各地の書店でベストセラー1位となっ
ている、注目のビジネス書です。
JR九州会長で、世界一の豪華列車「ななつ星」を大成功させた、
唐池恒二さんによる、『感動経営』です。
最近、日本企業は元気がないと言われますが、JR九州は驚くほど
元気です。
飲食店から農業から、あらゆる事業を手掛け、急成長中です。
そんなJR九州会長の著書のまえがきで、日本企業に元気がない理由が、
こう書かれていました。
ちょっと引用してみましょう。
<かつての日本企業では、感動する者と感動させる者のコミュニケーションが
とても高いレベルで成立していた
。それが、いまはどうだ!
低位安定に落ち着きすぎている>
著者は、ソニーがウォークマンを世に出した時、トヨタがプリウス
を出した時の様子を例に挙げながら、いかにかつての日本企業が、
「大いに感動させるぞ」の意気込みで仕事をしていたかを説きます。
読んでいるうちに、なるほど経営で一番大事なことは「感動」なの
だな、と合点がいきました。
それでは、さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。
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ソニーが1979年に「ウォークマン」を世に出した。
あのときの世間の驚きぶり、感動の大きさは相当なものだった。
ソニー側の「大いに感動させるぞ」という意気ごみと、消費者側の
「絶対に感動してやるぞ」という盛り上がりが大きなエネルギーをつくり出し、
そのうねりが世界中に広がっていった。
トヨタが1997年に世界初の量産ハイブリッド乗用車「プリウス」
を発売したときもそうだった。
世界がどよめいた。驚異的な燃費と
予想をはるかに下回る価格設定に強く感動していた。
「21世紀に間に合いました」このキャッチコピーも、私たちの心を
がっちりとつかんだ。
2013年10月の運行開始以来ずっと、予約数が定員よりもはるかに
上回っている。
過去最高競争率はDX(デラックス)スイート(7号車の
最高客室)の316倍で、当選するのは宝くじのごとき難関と
なっている(中略)。
電話中のスタッフが明るい声で、「おめでとうございます」
と言ったと同時にほかの4名のスタッフが一斉に拍手をする。
「高齢で病弱の父は、ななつ星の当選を聞いてからみるみる元気に
なっていくのが、娘の私にもわかります。
父は、ななつ星に乗ることを人生の目標にして頑張っているような気がします。以前は、足が弱っていて歩くのもつらそうでしたが、いまは毎日家のまわりを
一回1000歩ずつ歩こうと思い立ち実行しています。
最近ではかなり楽に歩けるようになりました。」
感動させる仕事は、思いと手間がすべて。
上司は感動してからハンコを捺せ。
上司は安く感動してはいけない。
うるさい客でなくてはいけない。
逆境でも、「氣」を集められる5つの法則
1.夢見る力
2.てきぱき、きびきび、スピード
3.明るく元気な声
4.スキを見せない緊張感
5.よくなろう、よくしようという貪欲さ
クソボールをホームランにしよう。
見えないところも全部きれいに。
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本書319ページ以降に、アリババとJR九州の共同プロジェクトの
話が載っていますが、これからJR九州並びに九州地方は、大きく
成長を遂げそうです。
経営は、「機を見るに敏」。
そしてそれを実現するのが、「感動」なのだと思います。
下手なテクニック論の10倍役に立つ、気づきの多い内容でした。
ぜひ読んでみてください。
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